アウトサイドアート関連のNPO法人を立ち上げた北海道に住む作り手の工藤和彦さんが「旅する雑貨」と称して、全国の作業所で作られている面白そうな物をピックアップし、パッケージにして色々なギャラリーなどを巡回しています。突然お電話があり「今から届くと思いますので、夕方には行きます」と。以前そんなことをしたいというのはうかがって「面白そう、やってもいいですよ」とは話していましたが「松原さんのところが最初ですよ」と「えー、そうなんですか」と、ちょっとびっくりとともにプレッシャーが。トランクが届き、工藤さんが見えるとその中から紙芝居小屋のようなお家が現れて、あれよあれよという間に組み立てあがっていきました。その中には、北海道で作っているというフェルトを中心とした物や沖縄のかるたやガラスのマグネット、不思議なコピーの書かれたお湯のみ、ポーチ、織物のがま口等々がぎっしり詰まっています。お店の一角に掛けたのですが、「これなあに?」と興味を持つお客様が絶えません。アウトサイドアートのことをよくご存じの方もみえて「栃木の『もう一つの美術館』に行きました。感動しました」というような話に広がったりしています。
私のオススメは、フェルトで出来たどんぐりのネックレスです。これからタートルなどのセーターにはぴったりです。850円とお手軽な価格なので、ちょっとしたギフトにも喜ばれると思います。最初の入荷分はすでに売り切れてしまったので、追加注文をだしているところです。
工藤さんの企画で、来年の5月には原宿のワタリウム美術館でアウトサイドアートの外国の女性作家の展覧会が予定されています。彼女の作品も一部、先日の松下電工のギャラリーで目にしましたが、「王子様と王女さま」がテーマもさることながら、その鮮烈な色使いや画面いっぱいに描き込まれた模様の数々にひきこまれしまいました。工藤さんは「現代の曼荼羅」というような話をしていました。この企画も楽しみです。

神楽坂のロンダジルさんが移転予定のギャラリーで開かれていた須藤拓也さんの個展、最終日に行ってきました。地下鉄の神楽坂を降りてから毘沙門天を目指しましたが、途中でガトーショコラのおいしい「ジョルジュサンド」や前から行きたかった、まんじゅうカフェ「むぎまる2」を寄り道しながらでしたので、ギャラリーに着く頃には暗くなり始めていました。毘沙門天の裏側の袋町という住宅街にある、格子戸を開けて入るしっとりとした小料理屋さんのような佇まいでとても惹かれます。靴を脱いであがると、縦長の畳敷きの部屋に器が並べられています。
今回は、須藤さんは土物に初挑戦とのこと。志野を思わせるような肌合いに鉄絵が効いています。磁器ものもそうですが、彼の作品には自分を引いて見ている含羞のようなものを感じます。
今回は、私は白磁の祭器を思わせるような作品をいただきました。
以前いただいた磁器の板皿が、パウンドケーキを載せてお出しするととても評判が良くて、ほしいというかたもいらっしゃるのですが、磁器の板皿はゆがみが出たりしてロスが多いとのこと。今回は、土物の板皿が出ていました。備前を思わせるような肌合いと正方形のモダンな形とが目を引きます。白磁の祭器とこの板皿をお願いしたので11月の終わり頃には入荷すると思います。
須藤さんの奥様の華順さんも革のバッグや、以前、赤が好きな息子のためにいただいたキーホルダーのような小物をつくっていらして同時期に恵比寿の「ECOKA」で個展をなさっていました。7時までと言うのでぎりぎりでしたがそちらにもまわりました。
クリスマスの頃には、赤や緑のブローチがお店に届くかもしれません。
まんじゅうカフェ「むぎまる2」


新しいロンダジルのギャラリーにて




華順さんのキーホルダー


岩手県八幡平市にある羽沢耕光商店から届いた「古代米 八穀ブレンド」。3種の古代米に加え(赤米、黒米、緑米)精ひえ、糯粟、いなきび、米粒麦、たかきびの8種のミックス。米に1割程度混ぜて炊くと、ほんのり桜色の雑穀ごはんができあがります。私はさらに黒米を加えているので、かなり濃いめの桜色になっています。色々と雑穀は試したのですが、何となく古いような感じがしたり、体には良いかもしれないけれどあまりおいしくないかもと思っていたのですが、羽沢さんの雑穀は、とってもとれたての新鮮な感じがするのです。新米のような新雑穀って感じです。
ご飯以外にも、洗ってそのままスープに入れてもおいしいです。
お店でも販売しているので(300g 945円)、興味があったらぜひ試してみてください。
因みに八穀とは、
〈赤米・黒米・緑米〉は、古代米でポリフェノールや食物繊維が豊富です。
〈精ひえ〉は、カルシウムやビタミン B群が豊富。
〈糯(もち)粟〉は、穀物の中では、最も甘みが強く、もち米に似たむっちりした食感が特徴。良質のたんぱく質、ミネラル、ビタミンB群、食物繊維が豊富。
〈いなきび〉は、実の色は鮮やかな黄色で、コクと粘りがあります。亜鉛が多く含まれており食物繊維は白米の約3倍、タンパク質は白米の約2倍と言われています。ビタミン、カルシウム、鉄分も豊富です。
〈米粒麦〉は、大麦を最新の技術で高度精白し、米と同じ比重で同じ形に加工したものです。食物繊維がたっぷりで、その含有量は白米の約10倍と言われています。
〈たかきび〉は、ポリフェノール、食物繊維を多く含んだ米粒程度で赤褐色の粒。ひき肉のような弾力とコクがあり、マクロビオティックではひき肉の代わりにも使われています。

ガラス作家の松岡洋二・装子さんの二人展の最終日に千駄ヶ谷のSHIZENさんにうかがいました。
洋二さんの作品は、優しい色合いの無地のガラスですが、彼ならではの曲線の美しさがあります。今回は、ワイングラスに挑戦したそうで、それでワインをいただきました。装子さんの作品は、幻想的な魅力があり絵本から抜け出したような世界がエナメルで描かれています。
私のお店では、洋二さんのは薄いガラスのカップを扱っているのですが、これを使った人は「もう他のカップで飲めなくなってしまった」と言うほどに口当たりが気持ちいいのです。
装子さんのものは、女性へのプレゼントとして人気があります。
図らずも最終日だったので、久しぶりにお二人にお会いできてびっくりでした。

