京橋界隈

京橋のギャラリー山口で行われている抽象彫刻の「建畠覚造展」(2月28日まで)に行きました。亡くなられてから3年がたっての個展。抽象彫刻は情緒に流されることなく論理的な造形が特徴と言われて近寄りがたいイメージがありますが、作品は曲線が取り入れられているせいか親しみやすく優しさが感じられます。

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10年近く前に、こちらで行われた「建畠覚造展」を主人と見る機会があり、珍しく(強調するほどのことではないですが、何もないときにプレゼントというのはほとんど無いので)「PILD CUP」というお椀を積み上げたような彫刻を写したブローチを買ってくれました。最初は殆ど身につけずに飾っていたのですが、コートにつけてみると、有ると無しでは大違いでさすがその造形力を感じ、すっかり気に入ってしまったのです。もう一つほしいなと思ってお願いしていたところに、今回はブローチも出展しますというDMをいただき、楽しみにしていたのでした。いくつかの中から私が選んだのは、建畠覚造にしては珍しい、やや具象的な、「ワイングラスに頬杖をついて考えている」というものを「もっと考えなさい」と言う声と受け止めました。

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今回のパンフレットに、奥様が思いをつづっているのですが、これが感動するようないい内容なんです。
抜粋すると、

覚造が逝ってから三年が経ってしまった。
一人歩きになれない私を、歳月は静かに追い越し、去って行く。

彼は彫刻の中で生まれ、彫刻の中で育ち、彫刻を学び、一緒になってからも、過去を振り返らずに明日への彫刻のみに命をかけていた。まるっきり彫刻家の覚造の思い出は、透明で、強い一本の空に向かう直線のように、なぜかとてもきれいだ。

私は覚像の後ろ姿をいつも思い出す。門を出て角を曲がるまでのほんの数分間の、何事かを考えながらまっすぐにゆっくりと歩いて行く、私だけが知っている後ろ姿だ。どんな時にも、私は必ずその後ろ姿が見えなくなるまで見送っていた。

亡くなったご主人への思いがひしひしと感じられて、そんなふうに60年余りを過ごしてきたことをうらやましくさえ思いました。詩人の茨城のりこさんの「歳月」という詩集も亡くなったご主人について書かれているのですが、それを思い出しました。私も今年で結婚20年を何とか迎えるのですが、夫婦の形ということについてしばし考えてしまいました。
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ギャラリーを出ると、向かい側には「パティスリー イデミ・スギノ」が。以前NHKの「プロフェッショナル」という番組で少しだけ見かけて、興味を持っていました。うかがったのは4時過ぎでしたが、ケーキなど生菓子はすべて売り切れでした。
そこで、カシス、プランボワーズ、キーウイ、オレンジなどの果汁たっぷりのゼリーとジンジャー味のマドレーヌを買って帰りました。

西川聡さんのマグカップ。額賀章男さんの板皿にジンジャーマドレーヌを
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桑原典子さんの台形マグカップ、須藤拓也さんの銀彩豆皿にフルーツゼリーを
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木彫像

前川秀樹さんの彫像をお店に飾るようになってから、彫像がとても気になっています。展覧会では最後まで残っていてみんなが手を出さなかったわけだし、毎日接すると邪魔になるかなと心配していたのですが、あにはからんや、どんどんひかれているような存在。ちょっと恋愛と似ているかも。
前川さんの作品は、一冊の本にまとめられるらしく、現在撮影の段階です。それに、vol3も今年のおわりに「DEE’S HALL」で行われるらしいです。
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年末には、目黒の「ワッツ」で石橋正次さんの「さまざまな天使」という彫像の展覧会も見に行きました。彼の作品は、絵本の中から抜け出したような優しい世界が展開されていました。200812251834000.jpg

舟越桂さんも以前の現代を生きる人々のシリーズからスフィンクスシリーズへの変遷、異形の人がこの先どうなっていくのかが気になっています。

というわけで、今日は、「ギャラリーMIZUMA」で行われている木彫の作品を作っている「棚田康司展」(2月28日まで)に。
久しぶりの中目黒。以前金塚先生の和菓子教室に毎月通っていた頃と景色は一変。駅前には新しいビルが、目黒川沿いにはタワーが建っている。まるでチェーン店のようにどの町にもタワーばかり。
「駒沢通りを恵比寿に向かって、いつ取り壊されてもおかしくないビル」を目印にするとすぐに見つかりました。
以前、静岡のヴァンテ彫刻美術館で展示されたものの一部と新作の1点の展示です。絵画の中からそのまま抜け出したかのような少年や少女たちの像、それは強く明確な意志を感じさせます。新作の「結ぶ少女」も髪を結んでいるのですが、テーマとしては何かと何かを結ぶということを示しているような思想的な感じを受けました。息子が「木漏れ日の人」という少年の像を画面上で見かけて「あっ、SAPIOの表紙のだ、『みんな偽善だ!』って言っているんだ」と。確かにそんな使われ方がピッタリとくるような像たちです。
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「旅する雑貨」第二弾

「旅する雑貨」の第二弾、動物シリーズが到着しました。パッケージも動物シリーズらしく造形作家の森貴義さんが動物をイメージして作っています。
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これからもまだ増えていく予定ですが、とりあえずその中身は、

北海道在住の上杉克也の「どうぶつのマグネットシリーズ」
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動物のオブジェ、ご自分の干支や好きな動物をお求めになる方が既にいらっしゃいます
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ポストカードや「たんぽぽの家」のストラップ、こちらもお待ちかねの方、お待たせしました
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「工房絵」の動物のマグネットシリーズ
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手描きの和紙の封筒
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等々。

「旅する雑貨」第一弾は、東京新聞で取り上げていただいたり、年末の時期とも重なったせいかお陰様で大盛況でした。リーズナブルな価格もさることながら、「こんなに面白いものがあるの!」といった驚きを多くのお客様が感じていらっしゃいました。第二弾もぜひご覧ください。



お茶の水界隈

先週は、湯島聖堂の前にある美篤堂のギャラリーで須藤拓也さんが詩人の白井明大さんと行っていた「詩と陶からなる書物 波照の舞う」展 に行きました。白井さんの詩に触発されて作ったという須藤さんの陶のオブジェは、初めてでしたが、手のひらにのせたり、近くにおいておきたくなるような親しみの持てるものでした。 須藤さんとの話に夢中になってしまって、
写真を取り忘れてしまいました。ごめんなさい。
帰りに、湯島聖堂に行くと木々がすっかり切り落とされていたせいか、孔子像はひときわ大きく思えました。
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そして、今週は、駿河台にあるトライギャラリーの「豊永盛人展」(2月16日まで)に行きました。豊永さんは沖縄で伝統的な琉球張り子や焼き物、ガラス絵などをつくっていらしゃるのですが、「旅する雑貨」のカルタの作者でもあり、「旅する雑貨」の第三弾のパッケージの作り手でもあるのです。前日に工藤和彦さんからその第三弾が会期中は飾ってあるとうかがいました。たしかに、会場に行くとありました。今回のテーマは「サーカス」らしいです。楽しい思いが溢れています。このサーカスシリーズもいずれはお店に旅をしてきてくれることでしょう。楽しみです。会場では、沖縄民謡が流れ、張り子のシーサーがあったり、その色使いには沖縄らしさもありますが、それだけではない豊永さん独自の世界が感じられる、抱き人形や焼き物なども飾られています。息子に「とら」のTシャツと、今年の干支の丑の張り子をいただきました。
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駿河台下まできたので、本当に久しぶりに和菓子のお店の「ささま」に寄りました。ここの店内は小さいですが、仕事の場として使い込まれた美しさがあって好きです。「うぐいすもち」「桜餅」「練りきり」「松葉最中」を買ってきて、さかいあつしさんの杉に拭き漆をかけた板皿に盛ってみました。久しぶりにいただきましたが、「ささま」のお菓子は水分を含んでいる瑞々しいしっとりとしたおいしさがあります。
美術書のある古本屋さんの「源喜堂」「かげろう文庫」等を少しのぞいて帰ってきたのでした。
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日もすがら、夜もすがら阿佐ヶ谷

息子が実家に行ったのをいいことに、久しぶりに夜の阿佐ヶ谷を楽しみました。
まず、夕食は、阿佐ヶ谷北の区役所の派出所の斜め前にある「まにわ」という小料理屋さん。オーナーの順子さんの手料理とおいしいお酒が揃っています。カウンターだけのお店ですが、順子さんの魅力にひかれる男性がずらっと並んでいて、いつも満席なのですが、今夜は予約なしでも奇跡的に入ることができました。
3000円のコースは、前菜他、生牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣の卵とじと牡蠣尽くし。最後にでるぬか漬けがとてもおいしくて、いただくたびに私ももっとぬか床をかわいがらなきゃと反省するのです。お酒は、風邪気味と言うこともありゆず酒をいただきました。
因みに、彼女のエプロンは、「エプロン展」にてお買い上げいただいたものです。媚びを売る事はない潔い美人という印象の順子さんに、チャコールグレーの何の変哲もないように見えて身につけると実は女性らしいエプロンはとてもお似合いでした。


「まにわ」を出て、どこに行こうか迷ったすえに、少しはじけたい気分なのでスターロードにあるオカマバーの「山路」へ。オーナーのよしことは、昼間は、ばったり出逢うのですが、お店にいる時とは大違いで、いつも恥ずかしそうにして声をかけてきます。一応会員制なので一見さんはお断りのお店。防音のために布団で出来ている二重扉を開けて中に入ると、カウンターの中でノリノリで踊っているよしこがお出迎えです。70年代を中心に歌謡曲からロックまでのCDがそろっていて1曲ずつ選曲して、それにあわせてよしこが衣装も髪型も変えてショーをおおくりするというスタイルです(画像もあるのですが、いらしてからのお楽しみと言うことで)。チャージもとらないし、飲み物もつまみもとってもリーズナブルで、これじゃ商売にならないというような値段設定です。好き嫌いはある世界なので、興味をもたれた方は、私の紹介と言っていただければ歓迎してくださると思いますが・・・

朝方まで飲んでいたので、遅めに起きて青梅街道のラーメンやさん「CIQUU」(ちきゅうと読むのだと思います)へ。私は、主人や息子たちのようにラーメン好きではないのですがここの塩ラーメーンは大好きです。まず、見た目が美しい、透明なスープにお麩、のり、チャーシュー、そして、焼きトマトがその色も味もきいています。ご主人はイタリアンで働いていらしたそう。店内も、カフェのような雰囲気で従来のラーメンやさんとは一線を画しています。カウンターだけ7席なのですが、ウエイティングの場所がゆったりしているので、待つことが苦になりません。最近、dancyuの表紙になったらしく、待つのは覚悟で行かれた方がよさそうですが。
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