工藤冬里展(4) ライブ

下働き一号です。
今日は展示最終日。工藤冬里さんのライヴがありました。
たくさんのお客さんに喜んでいただいたようで、店主ともども嬉しいです。

ライヴは二部構成。
前半はピアノヴォーカルのアヤコレットさんの独演、後半は工藤さんとバンド4人の演奏、そして皆さん全員で「スキヤキ」を演奏されました。

アヤコレットさんはオリジナルの曲などを弾き語り。綺麗で伸びやかな歌声に聴き入ってしまいました。♪おいでおいで
最後の曲は途中から工藤さんも参加し連弾。

続いて工藤さんのパート。昨日観に行かれたという国立新美術館の『ルーシー・リー』展の雑感から。
日本の作家が欧米の作品から学ぼうとするとき、誤読が起きることがあると。その誤読と深読みによる思い入れは深いほど良く、そうして新たな創作への契機になって行くのだ・・・というようなことをお話されました。

次に『The Wire』誌 2010JUNE のDavid KeenanのCD評のページが配られ、全員で誤読の可能性を容認しながら英文を読みました。
工藤冬里ライブ

Keenan評の冒頭は
"Improvised music , as a genre, is rarely sexy. But then you start to wonder, why?" (David Keenan ,The Wire 316)
improvised music(即興音楽)ってなんで色気がないの?という問いかけから始まっています。
評論を読み進め(たどたどしくも誠実に)、文中で例示される音楽を演奏し(ユーモアを忘れずに)、問いの検証・考察(おのおのゆるやかに)、また即興音楽のプレイヤーはこれからどうするべきか観客へ問いかける(最後に一言)という内容でした。

そして「スキヤキ」。アヤコレットさんのCDで工藤さんがVocal参加したという歌です。
これは半即興という感じでしょうか。大変面白いアレンジでした。
工藤冬里ライブ
工藤冬里ライブ

来年の工藤冬里展でもライブが観たいですね。工藤さんお願いします。


ちなみに、アヤコレットさんのblogはこちら
>>>http://ameblo.jp/ayacollette
今日の日記にライブのことが書かれています。
アヤコレットさんありがとうございます。


<お知らせ>明日の営業は代休によりお休みです。

工藤冬里展(3)

下働き一号です。
明日、日曜日まで開催中の
工藤冬里「ロック史」展
の作品を紹介致します。

あながまで焼いた磁器土を使った器

工藤冬里,阿佐ヶ谷ひねもすのたり
工藤冬里


青磁

工藤冬里


フィギュア、白磁の器、花器
工藤冬里

その他の作品については5/24のブログをご参照下さい。
なお、当展ではお買い上げの作品はお持ち帰り頂けます。お申し出頂いた場合のみ、展示期間中も当展で展示致します。

明日は14時から作家とゲストヴォーカルの2人によるライブを催します。
お楽しみに。

工藤さんのHPはこちらです。
http://pink.ap.teacup.com/decablisty/
ただ今再構築中とのこと。気長に待ちましょう。

工藤冬里展(2)

下働き一号です。
昨日から工藤冬里さんの展示が始まりました。

毎年テーマがハッキリしている工藤さん。
今年はあながま(坑窯・窖窯)をされたとのこと。
「あながま」は登り窯の一種、地下か半地下の窯で、
ガス窯よりも高温で焼き上げることができるそうです。

素人の私にはそれがどのようなものか詳しくは分からないのですが、
作品を観れば確かに感ずるところがあって、
色と形は優しく美しい曲面を持ちたおやかに見えますが、
なぜかキンッとシャープな気品が漂い、異なる印象を受けます。
作品の音を聞けば非常に硬く焼き締まっていることも分かります。

会期は日曜日までの一週間。
大変短い期間の展示となりますが、多くの方に見て頂きたい内容です。
今週は木曜日も開店しておりますので
どうぞお店にお越し下さいませ。


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工藤冬里展
2010年5月24日(月)〜30日(日)
※但し、30日は14時から作家による音楽ライブの上演となります

工藤冬里展

5月24日(月)〜30日(日)まで、音楽界のアンダーグラウンドのカリスマでもある工藤冬里さんの個展を開きます。

今回は、坑窯で焼かれた白磁焼き締めを中心としたものですが、他にも青磁、白磁などの椀や花器、フィギュアなども届いています。また、尺皿やまな板皿などの大きな作品も数点あります。

3月頃から、坑窯で焼いていますというお話でしたので、とても楽しみ(ちょっと不安もありましたが)にしていました。白磁焼き締めは、予想以上に美しいです。流れるような曲線が花びらや貝を思わせ、仄かな火色や白磁焼き締めの肌合いとも相まって、やや女性的とも思えるような魅力が感じられます。

青磁の椀には、ムカデの影が映ったムカデ椀やミュージシャンらしい音符が描かれた楽しい物などのレアものもあります。

冬里さんの作品は、全体的に価格もリーズナブルですので、普段使いにぜひとりいれていただければ、食卓に楽しさや優しい匂いが立ちこめることとと思います。

最終日30日(日)の2時から、ボーカルのアヤコレットさんをゲストに迎えて、ライブを行います(1ドリンク付き 1500円)ので、こちらもぜひお待ちしています。

白磁焼き締め椀 
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まな板皿 どんとしていて、盛り映えがします
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青磁尺皿
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白磁椀、イエローボールなど
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青磁椀                 レアもののムカデ椀
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こんなカップなら、何を飲んでも楽しそう
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フィギュアの数々、小仏にも見ませんか?
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うちくい展

13日から17日まで新宿御苑の真裏という緑溢れる庭をたたえた一軒家の<ラミュゼdeケヤキ>で開かれている美しい布の数々を展示した「うちくい展」に行ってきました。
うちくい=沖縄の言葉では風呂敷を意味するらしいですが、大切な布というような意味で使われているようで、沖縄や八重山を中心にした、作家の思いが込められた織りや染めの作品が展示されています。

今回は、奄美大島でお世話になったたまちゃんが、石垣昭子さんの紅露工房にお願いしたという芭蕉糸で仕上げたスディナや加計呂麻でうかがった宮下利津子さんの作品を紹介するということで上京してきています。

会場では、たまちゃんは、ゆうなという植物と芭蕉との肩身代わりのスディナをはおりエネルギッシュに作品の紹介をお客様にしています。
高千穂の山本恵子さんにもお逢いしました。山本さんは、「絹の織物は生の蚕を煮てしまうのでどこか心苦しい思いがあるけれど、麻はそう言うことがないので気持ちが楽に作品が出来る」というような話をなさっていました。その麻のストールもこれからの季節にふさわしく素敵でした。

ワークショップも色々企画されていますので、お時間あったらぜひいらしてください。

スディナを着たたまちゃん
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GW中は、そのB加計呂麻編

翌日は、奄美から船に20分ほど乗り加計呂麻島に渡りました。加計呂麻って響きもきれいですが、島もこんなに透明と驚くほどの海と溢れる緑の山に囲まれ、神々しさを感じます。

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楽流というパン工房に向かいます。ここは、ご主人がパンを作り、奥様が織物をされています。パンは、お砂糖を使わず、国産小麦、天然酵母、加計呂麻の塩、石窯で焼いています。
うかがうと、お庭にランチの用意がされています。なんておしゃれな、セッティングでしょう。パンもおいしいですが、サラダも野菜の味がとっても濃いです。
実は、こちらにうかがったのは、奥様の宮下利津子さんが、東京で13日から開催される「うちくい展」に出品されるということで、タマちゃんに頼んで連れてきていただいたのです。
「うちくい展」は、沖縄、八重山をはじめ、各地の色々な素材や織法の作家たちの展示会です。以前、お客様のお友達で高千穂にいらした方が出展されると言うことで、うかがったことがあります。そこで、芭蕉糸も初めて目にしました。

たまちゃんは、奄美で芭蕉布の復活を、、目指しているらしいのです。
宮下さんとタマちゃんもそんな運動の中で、出会ったそうです。早速芭蕉を使って織り上げたストールも見せていただきました。肩にかけるとふわりとして少しかたさがあるので立体感が出てきます。まだ、始めたばかりなので作品としては今回は難しいようですが、近いうちに作品となることを期待します。色々と見せていただき、私は、たまちゃんが「似合う、似合う」と勧めるのでインドネシアのゴールドの蚕とかなり大きな茶の蚕とからとった糸で織られたストールを頂きました。うちのお店の7月からの「5年目の七夕」にも出品していただくことになりました。

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宿泊先の行村さんへ。宿のおかみの光子さんが、ざっくばらんな方ということもあり、宿というより親戚のお家に遊びに来ているような感じの所です。宿のすぐ前でもつりが出来るというので息子はおおおはしゃぎですが、雨に濡れて一匹の釣果もないのを可哀想に思ったご主人が船を出してくださって、お陰で9匹もの魚を釣ることができて大喜び。
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また、寅さんシリーズで「リリーさんの家」に使われたお家があり、その前はディゴ並木になっています。満開になったら何て美しいかと思えるようなところでしたが、何故か、今年はディゴの開花が遅れているようです。

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島尾敏雄の文学碑と墓にも行きました。「死の棘」は小栗康平監督の映画を見たことがあります。現在の松坂慶子からは想像できない、精神を病んだミホ役が印象的でした。島尾は元々兵隊として加計呂麻に赴き、そこで小学校教員をしていたミホさんに出会って結婚したのです。「死の棘」の話を私たちがしているのを息子が聞いて「何、何?」というので「敢えて、読まなくてもいいかもしれないけれど、読んでおいたら結婚への幻想はなくなるかもしれないね」と言うような話をしました。

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西田製糖という黒糖を作っている工場があるのですが、黒糖もさることながら、こちらは、何も菌を加えず自然に発酵した菌でできた「きび酢」があるのです。日本の中でも自然の菌から出来た酢はこれだけらしいです。行村では、このきび酢を色々なお料理に使っています。
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最終日の午前中には、行村に遊びに来ていた、Iターンのマリンスポーツインストラクターの天野さんとお話ししているうちに、ウエアも全てお貸ししてくださるというので家族3人でシュノーケリングをすることになりました。
天野さんは、とても穏やかで無口な感じなので少し頼りなさそうなところもあるのですが、海で接する天野さんは別人(女性にモテるというのもよくわかりました)。息子と主人は、一人でぷかぷか浮いて楽しみ始めましたが、私は水への恐怖があって震えているのですが、それを優しく丁寧に取り除いてくださいます。お陰で、水深が20メートルほどの所までいき、間近で海亀をみたり、面白い形のふぐや、魚の群れを見ることが出来ました。元々、何もしないことが目的のような感じできているのですが、こんな楽しみ方もあるのだなと、思わぬ収穫でした。



GW中は、そのA奄美大島編

GW後半は、家族で奄美大島、加計呂麻島に出かけました。今回も、青森同様、主人が4月に一人で奄美・加計呂麻に出かけて、すっかり気に入って、ひと月もたたずに再度私たちを連れての旅となったのです。
もともと、奄美は私の昔からの友人の家があって(彼女の家は鹿児島にも徳之島にもあり、今は鹿児島に暮らしている)彼女から色々な話を聞いていたのですがなかなか行く機会に恵まれませんでした。主人が急に行くことになって、彼女に連絡を取り、ガイドの方を紹介していただきました。そのガイドの女性たまちゃんは、京都出身なのに奄美に惚れ込んで移住(いわゆるIターン)してしまったのです。今回もそのたまちゃんにガイドをお願いしました。空港に迎えにきてくれたたまちゃんは、京都出身というより、南方の美人という雰囲気。

奄美に着くなり、主人のリクエストで鶏飯を食べに行きました。奄美ではどこのお店に入っても鶏飯は定番メニューにあるようですが、鶏飯専門店というのもいくつかあって、それぞれに人気があるようです。まずは、元祖と言われている「みなとや」さんに。
お皿に、細く割いた鶏ささみ、錦糸卵、甘辛く味付けた椎茸、ミカンの皮の粉末、しょうが、ねぎ・・が具として供されて、温かいご飯にその具をのせて、熱い鶏のスープを上からかけていただきます。「スープが濃くておいしい」。
帰りにも、みなとやさんから独立したという「ひさきや」さんにも寄りました。どちらもおいしくいただきましたが、ひさきやさんのスープはコクがあるのにすっきりしているという印象でした。むしろ、鶏刺しのレバーがにんにくじょうゆでいただくと、それはもうおいしくて、他の人が食べないのをいいことに私ひとりで平らげました。
鶏の銅像は最近出来たそう    「みなとや」の鶏飯
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「みなとや」前にて広がる海        お店の前に咲くまっ赤なデイゴ
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「ひさきや」の鶏飯
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奄美には、田中一村という孤高の画家の美術館があります。東山魁夷と東京美術学校大の同級生ですが、一村は中退してしまい、奄美まで流れ流れて、大島紬の染色工として働きながら絵を描いていました。ただ、存命中は中央画壇に認められずに、死後に新聞やテレビで取り上げられて一気に人気が出たというような経緯があります。一村の作品には、奄美というイメージが重なり、極彩色のイメージがあったのですが、間近に接した作品は、描かれているのは南国の植物や鳥などですが、墨絵を思わせるようなモノトーンの世界に近いものを感じました。

田中一村美術館         
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田中一村終焉の地 泥初めの池が
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その後は、有形文化財に指定されているという薗家にうかがいました。床が高く、ぐるりと縁側があり、昔の奄美の家のつくりそのままで、100年以上経つという庭には苔むし、奄美の植物が生い茂っています。その昔は、鹿児島からの役人を出迎えてもてなしていたそうです。
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奄美の木材を使って木工の作品をつくっているguri工房にもうかがいました。彼らご夫婦も大阪出身ですが、Iターンで奄美に暮らしているそう。パンを焼く石窯をご主人が作っていたり、鶏や山羊を飼って、それを食料にしているそうです。ただ、最後の山羊は名前をつけてしまったら、食べられなくなってしまって、今はペットにしているそう。
琉球松で作ったスプーンをいただきました。黒は、植物染料で染めているそうです。どちらもオイルフィニッシュでしあげてあります。
他にも、ノミ跡のくっきりしたお盆やカッティングボード等があります。
玄米粉のおぜんざいをご馳走になり、おみやげにはスモモ酒や島バナナまでいただきました。
そう、奄美ではかりんとう戦争が勃発しているという話もうかがいました。こちらでいただいたのはおからでできたかりんとう。さすが、黒糖の生産地ならではです。
工房と展示室            お土産にいただいた島バナナ
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guri工房のスプーン          ペットの山羊と
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夜は、西和美さんという島唄の歌手の方の経営する郷土料理のお店に。昼間は別のお仕事をなさっているらしい三味線を弾く男性が現れ、歌い始めるとそれに呼応して相聞歌のようにカウンターの中でお料理を造りながらママが応えます。奄美の方言なので、その意味を教えてくださいながら歌ってくださいました。お客様も上手な方が多くて、自然発生的に歌い始めたり、踊り始めています。肉体に歌や踊りが生きているという感じです。客も全員、太鼓をたたかされたり、踊りを踊らせたりしましたが、受動的に見ているだけでなく、無理矢理でもその中に引きこんでくれることでその文化を味わうことが出来た喜びがあります。息子は三味線まで弾かせてもらったりしました。

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泊まった宿は、ビッグマリーン奄美という、オリンピックの選手を初め、数々のアスリートたちの定宿というだけあって、朝食の充実ぶりにびっくりしました。ハンタマをはじめ、ゴーヤなど地元の野菜など地産地消で、地元の調理法等も工夫してありました。高級ホテルの朝食などより遙かに豊かです。

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GW中は、その@

とっくに終わってしまったGWですが、一週間お休みを頂きました。「お休みいいですね」とやや皮肉を込めて言われたりしますが・・・。

5月2日から5日まで表参道のスパイラルで行われていた若きクリエーターたち100組によるSICF(スパイラル・インデペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)に行きました。イラストレーターの森千章さんが出店されているというので行ったのですが、私のかかりつけの整骨院のお嬢さんも水彩の作品を出されていたり、ジュエリーデザイナーの下川さんにもお会いしました。ジャンルを超えて多彩な作品が出ていました。森さんは、星をテーマにした作品を出されていました。インクを使ってにじみの出た手法がテーマにあった幻想的な感じを醸し出していました。

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また、2Fの展示スペースでは、これも偶然に下働き1号がファンのフジタチサトさん(藤田匠平と山野千里のユニット)の個展が行われていました。絵付けがユニークで迷ってしまいましたが、かめれおんのれんげと私のコートに付けようと思って魚のボタンを買いました。ただ、ボタンをコートにつけようとしましたが、針が穴に通りませんでした。

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阿佐ヶ谷の 器とカフェ ひねもすのたりの日記です。

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