2/20(月)〜25(土)
大西基写真展「映画監督の家」12:00〜18:30
23日のみ18:30〜
関連企画イベント2/19(日)16:30〜
25日(土)まで、大西基写真展「映画監督の家」を開催しています。大西くんは、私の中学時代の同窓生です。中学時代はほとんど話した記憶がないのですが30数年振りの同窓会で再会して話が盛り上がって、この展示に繋がりました。
大西くんは、高校生の頃は映画三昧で映画監督を目指していたようで、その頃の思いの強い監督へのオマージュとも言うべき、かつて日本映画史に足跡を残した映画監督の家を訪ねて今現在の風景を写真に収め、そこに彼の若い教え子たちの写真をコラージュしたもので思いの強さを感じられます。ぜひ、ご覧いただければ幸いです。

中平康、石井輝男、藤田敏八、金坂健二 and more
バロックの時代(17世紀〜18世紀初頭)のフランスでは、音楽と言えば舞曲であったというお話をしましたが、この時代の音楽にもう一つ、とても大きく影響したのが彼らの言葉、フランス語です。
響きがニュアンスに富んで美しく、流れるように話されるフランス語は、今もそれを母語とする人たちの誇りであると言われます。言葉は、歌とも関連して、音楽に必ず影響を与えるもの。フランスバロックの音楽の場合もそのとおりで、フランス語と同じような、なめらかに流れるような旋律や音色の変化に富んだ楽器の使い方が良しとされました。フランスでは極端な強弱や速度の変化のようなサプライズや、これ見よがしな感情表現は好まれませんでした。抑制のきいた表現で喋るように、語るように演奏されるものが、フランスの王侯貴族にふさわしいとされたのです。そうすることで彼らがライバル視するイタリア音楽との差別化を図ったとも言えます。
当時は演奏の仕方にもいろいろと特徴的なものがありましたが、そのなかでも聴いてわかりやすく、フランス語とのリズムとのつながりを感じさせるのが、「イネガル」と呼ばれる奏法でしょう。楽譜上に同じ長さ(音価)で書かれている2つの連続した音符を、書かれたとおりの長さではなく、片方を長く、もう片方を短くして演奏することを言います。付点のついた音符であるかのようにスウィングさせて演奏する、と考えるとわかりやすいでしょう。フランスでは特にこの演奏法が盛んに用いられたと考えられています。イネガルで演奏されるフランス音楽は流麗で耳に心地よく、フランス語と似ているように感じられると思います。
なお、イネガルinégalとは「不均等な」という意味のフランス語の形容詞です。2月26日にコンサートをするトラヴェルソ・デュオの「イネガリテ Inégalité」という名前は、その名詞形にあたるものです。17世紀末にフランスで流行した横笛、フラウト・トラヴェルソもまた、フランス語と響きのよく似た楽器でした。音量の強弱はあまり派手につきませんが、音色の多彩さならほかの楽器に負けません。くぐもった甘い音も得意な楽器ですが、そんなところがフランス語を話す人たちの声の出し方や話し方にそっくりです。物憂い表現にも向いています。この楽器をフランス貴族たちが愛したのも、そう考えると、とても納得がいきます。
「フランスは語り、イタリアは歌う」というのは、私がブリュッセル留学時代に、学校の授業で教わった言葉です。フランスは踊り、語り、喋ります。来月26日にひねもすのたりで行われるコンサート『笛のお喋り』で、フランス的な管楽器 フラウト・トラヴェルソで演奏されるフランスの音楽がどんな響きなのか、ぜひ実際にお聴きになってみてください。
笛のおしゃべり
フランスバロックのフルート二重奏

2017.02.26 [日] 同一プログラム2回公演
・昼の部…12:30開場 13:00開演
・夕方の部…16:30開場 17:00開演
出演
トラヴェルソ・デュオ
≪Inégalité イネガリテ≫
相川郁子・野崎真弥(フラウト・トラヴェルソ)
プログラム
M.P.de.モンテクレール:コンセール第1番ニ長調
M.ドゥ・ラ・バール:2本のフルートのための組曲第7番イ長調
A.ドゥ・ヴィルヌーヴ:『ソナタによる会話』第1番イ短調
J.C.ノード:ソナタ第5番ト短調
J.M.オトテール:2本のフルートのための組曲第一番ロ短調
3,000円 ワンドリンク付
ご予約・お問合せ 03-3330-8807 yri03765(あっとまーく)nifty.ne.jp
お電話は14時以降にお願いいたします。(木・日曜日 定休 )
メッセージ
A=around 392のフレンチタイプのトラヴェルソ(オトテールフルート)でのデュオによる魅力的なプログラム。小さめの親密な空間で、フランスの王侯貴族に愛された音楽をお楽しみください。
お飲みものはお茶かコーヒーをお選びいただけます。
各回 限定20席。