中里和人 風景の境界展

今月の26日に当店で行われる、花道家上野雄次さんの「花がたりVOL4」のゲスト、写真家中里和人さんの展覧会(〜10/11)に市川の芳澤ガーデンギャラリーに行ってきました。

1980年代に撮ったデビュー作の、急速な変化を遂げた東京湾岸の様子をおさめた「湾岸原野」にはじまり「小屋の肖像」「キリコの街」「ULTRA」「R」等最近迄の代表作、および進行中の映像作品まで、写真家としての軌跡をたどれるという構成になっています。

失礼ながら、中里さんのことは「小屋の肖像」の写真集の一部を住宅雑誌で見たことがあるという程度にしか存じ上げませんでした。ただ、それは、地方に行くと目にするような小屋でありながらとても印象に残る物として記憶されていました。展覧会の図録を読むと、中里さんは「何気ない風景の隙間に輝く不思議な魅力をとらえた、そんな独特の風景の写真で知られている」そうです。

私が今回拝見して感じたのも、見捨てられたもの、日頃目にもとめないものをすくい上げて、日常的な風景を劇的に切り取っているなということでした。上野さんは「劇的」という表現をよく使うと思うのですが、その劇的な切り取り方が、上野さんと重なるところがあるとも思いました。それから、その景色の錆びたようなテクスチャーにも上野さんに通じるところがあるように思えます。
中でも、私は闇の中に広がる深い夜の景色の「ULTRA」は、まるで映像のようにその景色が動き、音楽が聞こえてくるような臨場感を感じて、とてもひかれました。

市川の住人たちとのワークショップ「市川の風景を写真にとって、絵はがきをつくろう」の様子も映像で流されていました。会場にはその葉書も展示されているのですが、それぞれに色々なテーマを持って撮っているのが、興味深く、面白いものとなっていました。阿佐ヶ谷でも中杉通りの写真展を行うようですがこんな企画ができたらいいのに、なんて思いました。

当日は、どんなお話しが聞けるのか、今から楽しみです。

この会場の芳澤ガーデンギャラリーは、市川在住の方が市に寄付なさったそうでその名の通りの広いお庭が広がるギャラリーです。そこには、さるすべりや柿等の樹木も色々と植えられており、どなたかが住まわれていた事を思わせます。

また、近くには「郭末若の住居跡」が復元されてあります。万葉集にも出てくる「真間の手古奈」の手児奈霊堂等があり、文化の香りある場所となっています。


芳澤ガーデンギャラリー
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手児奈霊堂
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郭末若記念館
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2010/09/17(Fri) 23:43:21 | 日記
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