「酒をきく」展 こぼれ話

こんにちは下働き一号です。

「酒をきく」展、残すところ今日明日2日です。
追加の入荷もあり、まだまだ作品はございます。是非のお越しをお待ちしています。

さて、少し前のことを振り返りたいと思います。

初日のこと、中里花子さんと余宮隆さんが揃ってお客様をお迎えしていました。
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この日はお2人といろいろなことを話しました。
世代、アート、美術、技術、工芸、日本、
ガッツのあるもの、作品にこめたものが伝わらないときのこと。
それから柚子胡椒の話もしましたね。

柚子胡椒というのが実は大変大事なものだとこのたび分かりました。

hutamono.jpg

というのも、余宮さんの作品の中で蓋物がありまして、私はそれが塩を容れるものに見え、けれど匙の柄をはめる穴がなかったんで不思議に思ったんです。実はこの蓋物は柚子胡椒入れであり、余宮さんは「匙の柄穴から空気が入って柚子胡椒が変質する」のを嫌って「穴をあけたくない」んだそう。穴があれば七味や砂糖の入れ物にも使えて用途が広がるのに、何故そこまでこだわるんでしょう?

それが九州地方(唐津も天草も)の方には重要な問題だったのです。柚子胡椒は九州の名産品で食卓に欠かせないものだそう。今回は酒をテーマにしたものなので、酒の肴としても重宝する柚子胡椒の容れものはマストアイテム!「蓋物は酒器ですよ」という酒のみらしい考えで拵えて下さったのでした。

ちなみに柚子胡椒がどれだけ九州でソウルフードなのかというと……
中里花子さんのご実家では、さるおばちゃんにしか作れない「黄色い」柚子胡椒があり、これがまぁ絶品でしたね。実はオープニングパーティで伊野さんが牡蠣ごはんなんかにちょこっと乗せて下さっていたのでした!!
中里花子さんのご友人のみなさんにも大変評判だそうです。しかし、この黄色い柚子胡椒、その「おばちゃん」にしか作れないんですって。手仕事ってやっぱりそういうものですよね。だから大切にしたいです。

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2010/11/26(Fri) 11:43:57 | 企画展のこと
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