レオナール・フジタ展

上野の森美術館で開かれている藤田嗣治の「レオナール・フジタ展」に行きました。この美術館は、以前のダリ展の時も井上雄彦展の時も外に行列が出来ていて諦めたのですが、今回は三度目の正直で入場できました。
今回は、幻の群像大作の公開がメインになっているようでした。
大きくは4つのパートに分かれての展示。
・「すばらしき乳白色」とパリで絶賛された初期の裸婦シリーズ。間近で見ると確かにごふんを塗った人形のような肌というか、焼き物の作り手の西川聡さんの白磁の器が最近入荷したのですがその肌合いととても似ているのです。人間に近いというよりもそういった人形や陶磁器に近い肌合いです。
・群像表現への挑戦として、今回の目玉の幻の大作4点を中心としたものです。その大きさや「構図と闘争」はエネルギッシュな勢いがあり圧倒されるものがあります。
・晩年を過ごしたエソンヌ県のアトリエでの作品や資料。手作りされた日常使う家具や食器や小物は、その生活がうかがわれて親しみを感じました。
・キリスト教の改宗と宗教画として、ランスの平和の聖母礼拝堂の内部のフレスコ画やステンドグラス。キリスト教とフジタは結びついていなかったのでここまで描き残していたのは意外な感じを持ちました。

フジタの作品には猫がしばしば登場しますが、今回私が印象に残ったのは墨と水彩で描かれた猫をテーマにした屏風でした。日本画家による猫の屏風はきっとあるのでしょうが、それとはまた別の伝統だけではない、フランスで生きたからこその現代を生きる屏風とでも言えるような作品でした。

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2008/12/18(Thu) 10:01:42 | 日記
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